
こんにちは、銀行員ブロガーのチャルトンリサです。
「二人で働けば、憧れのあの家に手が届く」
そう信じてペアローンを組み、キラキラした新生活をスタートさせたはずなのに…数年後、その家が原因で夫婦喧嘩が絶えなくなる。
実はこれ、銀行の相談窓口では決して珍しい話ではありません。
特に多いのが、「出産・育児」を機に家計バランスが崩壊するケースです。今回は、世帯年収1200万円というパワーカップルだったはずのSさんが陥った「時短勤務の罠」についてお話しします。

現役銀行員 | BANKER × FAMILY
「住宅ローン、変動金利のままで本当に大丈夫なのか不安…」 そんな悩みを持つ方のために、 現役銀行員として住宅ローン相談を担当してきた私が、 金利上昇時代に後悔しないための 正しい判断基準をまとめました。
もくじ
1. 【事例】「こんなはずじゃなかった」Sさん夫婦の悲鳴
都内の大手企業に勤めるSさん(32歳・女性)。夫(34歳)も同規模の企業に勤めており、結婚当初の世帯年収は1200万円。「パワーカップル」と呼ばれる理想的な夫婦でした。
- 夫:年収700万円
- 妻:年収500万円
- 物件:都内近郊のタワーマンション(7,800万円)
- ローン:ペアローンで7,000万円借入(月々返済:約19万円)
「家賃を払うより資産になる」「二人なら余裕で返せる」。そう思っていました。しかし、2年後に第一子を出産し、Sさんが職場復帰したとき、現実に直面します。
「時短勤務で、手取りが思った以上に減っている…」
保育園のお迎えのために9時-16時の時短勤務を選択したSさん。給料はフルタイム時代の約3割減。さらに保育料の負担も重くのしかかります。
夫は激務で家事育児の参加は限定的。「私が早く帰らなきゃ」と必死にワンオペをこなすSさんですが、毎月口座から引き落とされる約19万円のローン返済通知を見るたびに、胃がキリキリすると言います。
「貯金がまったくできない。たまの贅沢もできない。夫に相談しても『お前が時短にしたからだろ』という空気を出されて…。こんなに辛いなら、あんな高い家、買わなきゃよかった」
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2. 銀行員は見た!「最強夫婦」が脆くも崩れる理由
なぜ、あれほど余裕に見えたSさん夫婦がこれほど追い詰められてしまったのでしょうか? 現役銀行員の視点で分析すると、ペアローンに潜む「構造的な欠陥」が見えてきます。

原因① 銀行の審査は「今の年収」しか見ない
厳しいことを言いますが、銀行は「将来お子さんが生まれて時短勤務になりますか?」とは聞いてくれません。融資実行時点での「最強の年収」で審査し、「この人達なら7000万円貸しても大丈夫(=銀行が損しない)」と判断するだけです。
借りられる額と、返し続けられる額は違う。この基本を、高額物件のキラキラ感が忘れさせてしまうのです。
原因② 「時短勤務」の減収インパクトを甘く見ている
「ちょっと給料が減るくらいでしょ?」と思っていませんか? 時短勤務になると、基本給が減るだけでなく、残業代ゼロ、ボーナスカットなどが重なり、年収ベースで100万〜150万円近くダウンすることも珍しくありません。
一方で、住宅ローンの返済額は1円も減りません。「収入は激減、支出(ローン+保育料)は激増」。このダブルパンチに耐えられる家計構造になっていなかったことが最大の要因です。
3. 泥沼から脱出するために、今すぐできる3つのこと
今、Sさんと同じように苦しんでいるあなたへ。自分を責めないでください。まずは深呼吸をして、具体的な対策を打ちましょう。
対策① 借り換えで「毎月の負担」を軽くする
もし返済期間を35年で組んでいて、まだ数年しか経っていないなら、思い切って「借り換えで期間を延ばす」というウルトラCがあります。
例えば、残りの期間を再び35年や40年に引き直すことで、毎月の返済額を数万円下げられる可能性があります。トータルの利息は増えますが、今は「今の生活を守ること」が最優先です。
「うちは借り換えできるの?」と不安な方は、まずはスマホで診断してみましょう。銀行に行く手間なく、可能性を探れます。
対策② 「聖域」をなくして固定費を削る
住宅ローンが重いなら、他を軽くするしかありません。 車、保険、サブスク、夫の小遣い…。 「これは必要だから」と聖域にしていませんか? 特に車は維持費だけで年間数十万かかります。都内タワマン暮らしなら、カーシェアへの移行を本気で検討すべきです。
対策③ 夫と「感情抜き」で数字の話をする
一番辛いのは「私ばかり我慢している」という孤独感です。 一度、家計簿と給与明細をテーブルに出して、夫と向き合ってください。責めるのではなく、「このままだと家を手放すことになる。一緒に作戦を立てたい」と相談するスタンスで。
男性は「辛い」という感情論より、「毎月5万円赤字です」という数字の事実の方に反応します。現状を共有することが、解決への第一歩です。
4. まとめ:家よりも大切な「家族の笑顔」を守るために
憧れのマイホームは、家族が笑顔で暮らすための「箱」に過ぎません。その箱を守るために、中身である家族の心が壊れてしまっては本末転倒です。
ペアローンの重圧に押しつぶされそうになったら、どうか思い出してください。 「逃げ道はある」ということを。
借り換え、売却、働き方の変更。選択肢は必ずあります。まずは一人で抱え込まず、プロの診断ツールを使ったり、パートナーと話し合ったりすることから始めてみませんか?
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