
こんにちは。現役銀行員ブロガーのチャルトンリサです。
「年収1,500万円」。
世間からは富裕層と呼ばれ、羨望の眼差しを向けられる数字です。
しかし、ご自身の通帳の残高を見て、ため息をついていませんか?
「あれ、なんでこんなに残らないんだ?」と。
以前は「児童手当の所得制限があるから」「高校無償化の対象外だから」という“言い訳”ができました。
しかし、制度改正で所得制限が撤廃されつつある今、それでも家計が苦しいなら、原因は制度ではありません。
原因は、あなた自身の「PL(損益計算書)」と「見栄」にあります。
今回は、港区のタワマンに住む総合商社勤務・Hさん(44歳)の事例から、エリート層特有の「高所得貧乏」のメカニズムを、銀行員の視点で解剖します。

現役銀行員 | BANKER × FAMILY
「稼いでいるはずなのに、資産が増えない」 このパラドックスに陥る人には共通点があります。 現役銀行員として数多くの富裕層の財務状況を見てきた私が、 感情論ではなく 「BS/PL(貸借対照表・損益計算書)」の視点から、家計再生の道筋を示します。
この記事の目次
1. 【事例】湾岸タワマンの「孤高のエリート」Hさんの収支
まずは、今回のご相談者Hさんのスペック(財務状況)を見てみましょう。
- 属性: 総合商社勤務(部長代理)
- 年収: 額面1,500万円(手取り約1,050万円/月平均87万円)
- 家族: 妻(元CA・専業主婦)、娘(小5・私立小)
- 住まい: 5年前に1.1億円で湾岸タワマンを購入(残債8,500万円)
Hさんはこう言います。
「俺は成功者だ。妻には働かせず、娘には最高の教育を与え、タワマンで暮らすのが甲斐性だ」
しかし、現実のキャッシュフローは火の車です。
手取り月87万円は決して少なくありませんが、Hさんの家計ではこれが面白いように「右から左へ」消えていきます。なぜでしょうか?
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2. 銀行員が指摘する「3つの漏水ポイント」
Hさんの家計には、致命的な「穴」が3つ空いています。
① タワマンという「固定費モンスター」
住宅ローンの返済だけではありません。
管理費、修繕積立金、駐車場代…。これらだけで月35万円が飛んでいきます。
特に恐ろしいのが「修繕積立金の値上げ」と「駐車場代」です。これらはローンと違い、完済しても一生続くコストです。
Hさんは「住居費」だけで手取りの40%を使っています。適正値(25%以内)を大幅に超える「家計のメタボ」状態です。
② 「見栄」という名の交際費・教育費
娘の私立小授業料+バレエなどのお稽古+妻のママ友付き合いで月15万円以上。
「周りの子もやっているから」という理由で課金し続けていませんか?
残酷な現実をお伝えします。
タワマン内には、Hさんのような「給与所得者(労働者)」だけでなく、桁違いの資産を持つ「経営者・オーナー」も住んでいます。
彼らと同じ土俵で生活レベルを競うのは、「軽自動車でF1レースに出る」ようなものです。資金ショートは時間の問題です。
③ 「一本足打法」の脆弱性
妻が専業主婦で、収入源はHさんのみ。
実は、年収1500万の専業主婦世帯より、年収750万×2の共働き世帯の方が、税金も安く、リスク分散もできており、手元に残るお金(可処分所得)が多い場合があります。
Hさんが病気や会社の再編で倒れた瞬間、この豪華な生活は即座に破綻します。「俺が稼がなきゃ」というプレッシャー自体が、Hさんを精神的に追い詰めています。
3. 【未来予測】PL(年収)はリッチでも、BS(純資産)はボロボロ
このままいくと、どうなるかシミュレーションしてみましょう。
- 娘が私立中→高→大(場合によっては留学や医学部)と進学し、教育費はさらに増大。
- 毎月の収支がトントンのまま、老後資金が貯まらない。
- 退職金が出ても、タワマンの維持費とまだ残るローンで消える。
「高収入=金持ち」ではありません。「資産家=金持ち」なのです。
Hさんは「フロー(年収)」はリッチですが、「ストック(純資産)」が増えていないため、自転車操業を止めることができません。

4. 解決策:プライドを捨てて「実利」を取れ
Hさんが今すぐやるべき「外科手術」的な家計改善策を提案します。
① 「タワマン=幸せ」の呪いを解く
勇気を持って「住み替え」を検討してください。
もし1.1億円で買った部屋が値上がりしているなら、今すぐ売却して利益を確定(益出し)し、身の丈に合ったエリア・物件に移るのです。
「都落ち」と笑われるのが怖いですか? 老後に破綻するほうがよっぽど怖いです。
② 妻を「戦力」にする(聖域なき会話)
「俺の稼ぎだけで十分」という見栄をやめましょう。
妻にパートでもいいから働いてもらう、あるいは家計管理を完全に任せて危機感を共有する。
妻の社会復帰は、Hさんのプレッシャーを物理的にも精神的にも軽くします。
③ 児童手当などは「なかったもの」として投資へ
所得制限撤廃で戻ってきた手当を、生活費に溶かさないでください。
全額をジュニアNISA(制度終了後は新NISA等)へ。教育費のインフレに対抗できるのは投資の利回りだけです。
まとめ:本当の「エリート」とは何か
本当に賢いエリートは、他人の目(見栄)のために高コストな生活を維持したりしません。
「年収1500万の生活」を捨てて、「年収1000万の生活」にダウンサイジングし、差額の500万を投資に回す。
それができる人だけが、労働者階級を卒業して「本物の富裕層」になれるのです。
まずは、ご自身のBS(バランスシート)を作ってみることから始めてみませんか?
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