
「文京区に住む」。それは子供の教育環境を買うことと同義です。
その文京区小石川に誕生する大規模レジデンス「リビオシティ文京小石川」。
76㎡超えの広さと充実した共用施設は魅力的ですが、価格は1億7,990万円。
しかもこの物件、「一般定期借地権」です。
土地は自分のものにならず、約70年後には更地にして返さなければなりません。
「資産価値はどうなる?」「毎月の地代は?」
通常のマンションとは全く異なる資金計画が求められるこの物件。現役銀行員FPが、定借の罠とリアルな支払額をガチ試算します。

現役銀行員 | BANKER × FAMILY
定期借地権マンションは「出口戦略(リセール)」が非常に難しい商品です。残存期間が減るにつれて担保評価が出にくくなるため、銀行員としては審査のハードルも上がります。1.8億円の定借物件を買っても家計が破綻しない「真の適正年収」をズバリ解説します。
この記事の目次
1. 物件概要:定借でも1.8億円の衝撃
文京区内でも希少な大規模開発。スーパー直結などの利便性は抜群ですが、やはり「定借」であることが最大のネックかつ特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 物件名 | リビオシティ文京小石川 |
| 所在地 | 東京都文京区小石川 |
| 権利形態 | 一般定期借地権(転借地権) |
| 価格(A-76A) | 1億7,990万円 |
| 間取り・面積 | 3LDK+MOATELIER+WIC+SIC(76.81m²) |
2. 見落とし厳禁!定借特有の「二重コスト」
ここが所有権マンションと決定的に違います。通常の管理費等に加え、「地代」と「解体準備金」が毎月かかります。
- 管理費・修繕積立金:約45,000円/月(想定)
大規模かつ共用施設充実のため、安くはありません。 - 地代・解体準備金:約25,000円〜30,000円/月(想定)
土地を借りるための家賃と、70年後に建物を壊すための積立金です。これは掛け捨てコストになります。 - 固定資産税(建物のみ):約15,000円/月
土地の固定資産税はかかりませんが、建物分は発生します。
維持費合計:月約85,000円〜90,000円
※駐車場なしでこの金額です。
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3. 住宅ローン返済シミュレーション(1.79億円)
価格1億7,990万円、頭金なしのフルローン。金利は変動0.875%(厳しめ設定)で計算します。
借入:1億7,990万円
毎月の返済額:497,390円
維持費(約9万円)を足すと、住居費合計で月約58.7万円。
毎月60万円近いお金が消えていきます。しかもその一部は「地代」という、資産にならない支出です。
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4. 生活費の試算:文京区の教育費は青天井
文京区に住む以上、教育費をケチるわけにはいきません。周囲も教育熱心な家庭ばかりで、SAPIXなどの塾代は「必要経費」です。
- 基本生活費:350,000円(インフレ考慮)
※文京区はスーパーの物価も少し高めです。 - 教育費(子供2人・私立中前提):150,000円
※中学受験を見据えた塾代と習い事。 - 予備費・交際費:50,000円
生活費合計:月約550,000円

5. 必要な世帯年収と「資産価値」の考え方
住居費(58.7万)+生活費(55万)=毎月113.7万円の手取りが必要です。
これを実現するには、世帯年収2,200万円〜2,400万円という、真のパワーカップルである必要があります。
定借物件の「出口」に備える
この物件を買う場合、以下のリスクヘッジが必須です。
- 「土地代」が浮いた分を投資へ:
所有権なら2億円超えの物件が1.8億円で買えたと仮定し、差額分(つもり貯金)を新NISAなどで全力運用してください。 - 永住前提で考える:
定借は残存期間が50年を切ると、次の買い手がローンを組みづらくなり、売却価格が下落しやすくなります。「売れば儲かる」という期待は捨て、使い倒す覚悟が必要です。
6. 銀行員からの本音アドバイス
「リビオシティ文京小石川」は、住環境としては最高です。しかし、1.8億円の定借物件は、金融商品としては非常にクセが強いです。
銀行員としてアドバイスするなら、「子供が独立するまでの20年間、最高の教育環境を買う」という割り切りができるならアリです。
ただし、資産形成を目的に買うなら、少し狭くても所有権の物件を選ぶか、価格の安いエリアを検討すべきです。
この物件は、お金に余裕がある人が「消費」として住むためのラグジュアリーな選択肢だと認識してください。
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