こんにちは。現役銀行員ブロガーのチャルトンリサです。
「都心のマンション価格、どこまで上がるの?」
最近、銀行の窓口でも話題になるのが、異常とも言える不動産価格の高騰です。
そして、その高騰する物件を買い支えているのが、世帯年収1,500万〜2,000万円クラスの「パワーカップル」たち。
先日も、世帯年収1,800万円のご夫婦が、1.8億円の新築マンションの審査相談にいらっしゃいました。
年収倍率、驚異の10倍。
審査は通るのか? そして、買った後の生活はどうなるのか?
銀行員として電卓を叩いてみると、華やかなタワマン生活の裏にある「極限の家計簿」が見えてきました。

現役銀行員 | BANKER × FAMILY
「審査に通る=返せる」ではありません。特にペアローンを組むパワーカップルは、銀行にとって「最高のお客様」であり、同時に「最大のリスク予備軍」でもあります。 現役銀行員として高額融資の現場を見てきた私が、 年収1800万世帯のリアルな手取りと、 1.8億円ローンの返済地獄度を忖度なしで解説します。
この記事の目次
1. 【試算】年収1,800万円 vs 1.8億円ローン。手取りの何割が消える?
まずは、感情論抜きで数字を見てみましょう。
世帯年収1,800万円の手取り額と、1.8億円のフルローンを組んだ場合の返済額のバランスです。
📊 パワーカップルKさん夫妻の家計簿
- 世帯年収: 1,800万円(夫1,000万+妻800万)
- 手取り年収: 約1,250〜1,300万円
- 手取り月収: 約105万円(ボーナス込み月割換算)
🏢 1.8億円ローンの返済額(変動0.475%・35年)
- 毎月返済額: 約46.5万円
- 管理費・修繕費・駐車場: 約8.5万円(都心新築想定)
- 住居費合計: 約55万円
住居費だけで、手取りの約52%が消えます。
手取り105万円から住居費55万円を引くと、残りは約50万円。
「月50万残るなら余裕でしょ?」と思いましたか?
もし子供がいなくて、今後も一生DINKS(共働き・子供なし)なら余裕かもしれません。
しかし、これから教育費がかかる子育て世帯にとって、このバランスは「綱渡り」です。
スポンサーリンク
2. 「タワマン貧乏」一直線?見落としがちな3つの隠れコスト
1.8億円の物件を買う層は、ローン以外の出費も「富裕層価格」になりがちです。
① 固定資産税が「年50万円」コース
新築の軽減措置が終わった6年目以降、都心高額物件の固定資産税は跳ね上がります。
月割りで4〜5万円の負担増。これを計算に入れていないと、ボーナスが税金で消えます。
② 教育費のインフレ
このクラスのマンションに住むと、周りの子供たちは当たり前のように私立小学校やインターナショナルスクールに通います。
「うちは公立で」と思っていても、環境に影響されて中学受験コースへ…。
子供2人を私立中高一貫校に通わせるなら、年間200〜300万円の現金が必要です。
③ 変動金利の上昇リスク
借入額が1.8億円と巨額なため、金利上昇のインパクトも桁違いです。
もし金利が0.5%上がっただけで、月々の返済は約4万円増えます。
1%上がれば約8万円増。手取りの残りが一気に削られます。

3. 銀行員が教える「この賭けに勝つための条件」
それでも「都心の一等地に住みたい」「資産価値が上がるから大丈夫」と考えるなら、以下の3つの条件をクリアする必要があります。
条件① ペアローンの比率は「妻の収入減」を織り込む
「夫9,000万+妻9,000万」のような半々のペアローンは危険です。
妻が出産・育休で収入が減った瞬間、家計が破綻します。
夫の単独ローンに近い形にするか、少なくとも頭金を2〜3割入れて借入額を減らすべきです。
条件② 「10年後に売却」を前提にする
終の住処にするのではなく、資産価値が高いうちに売却して利益(キャピタルゲイン)を得る「投資」としての側面を強く持つこと。
そのためには、エリアの選定が命です。「自分が住みたい街」ではなく「誰かが高く買ってくれる街」を選びましょう。
条件③ 生活レベルを上げない(質素倹約)
家は豪華でも、家具はIKEA、車はカーシェア、外食は控える。
「1.8億円の家に住んでいる」という満足感だけで生きていく覚悟が必要です。
家にお金をかけすぎて、家族旅行にも行けない「タワマン貧乏」にならないように。
まとめ:家は「資産」か「足かせ」か
年収1,800万円で1.8億円のマンション。
銀行員としての結論は、「審査は通るが、生活の自由度は極めて低い」です。
不動産市況が良ければ「勝ち組」になれますが、金利上昇や市況悪化が起きれば、一転して「逃げられない借金地獄」になります。
そのリスクを背負ってでも、その眺望が欲しいですか?
契約書にハンコを押す前に、もう一度冷静にシミュレーションしてみてください。
スポンサーリンク