「この家、本当に買って大丈夫なんだろうか?」
住宅展示場を出たあと、こんな不安がよぎったことはありませんか。
私は現役銀行員として、数千件の住宅ローン相談を受けてきました。
その中で確信したことがあります。
住宅ローンで後悔する人の9割は、"借りすぎ"ではなく"考えなさすぎ"です。
銀行は「この人はいくらまで借りられるか」しか見ません。
しかしあなたに必要なのは、
- いくらまで借りていいか
- いくらを超えたら人生が詰むか
その境界線を、今日はすべて公開します。
この記事の結論
住宅ローンは「年収の◯倍まで」という単純な話ではありません。
教育費・老後資金・金利上昇・共働きリスクをすべて織り込んだとき、
年収の5倍以内で組めるかどうかが、"天国と地獄"の分かれ目です。
住宅ローンで人生が壊れる瞬間
35歳、年収550万円、共働きで世帯年収900万円。
郊外の新築一戸建て、4,200万円。
銀行はこう言いました。
「この条件なら問題なく通りますよ」
ところが10年後。
- 子ども2人が中学・高校に進学
- 妻が体調不良で時短勤務
- 固定資産税・修繕費が本格化
結果、家計は毎月8万円の赤字。
これ、珍しい話ではありません。
私はこのケースを何百件も見てきました。
銀行が見る「返済比率」はあなたを守らない
銀行が最も重視するのが「返済比率」です。
返済比率=年間返済額 ÷ 年収
多くの銀行は、この比率が35%以内なら「安全」と判断します。
年収500万円なら、
年間175万円、月14.6万円までOK。
しかし、ここには致命的な欠陥があります。
- 教育費を一切考慮していない
- 老後資金を一切考慮していない
- 金利上昇を一切考慮していない
つまりこれは銀行が貸すための基準であって、
あなたが幸せに生きるための基準ではないのです。
年収別|無理なく返せる住宅ローン完全シミュレーション
ここからは、実際の相談データをもとにした、
本当に安全な借入額を年収別に公開します。
| 年収 | 月返済額の上限 | 安全ライン | 注意ライン | 破綻ライン |
|---|---|---|---|---|
| 400万円 | 8.5万円 | 1,800万円 | 2,300万円 | 2,800万円 |
| 500万円 | 10.5万円 | 2,200万円 | 2,800万円 | 3,500万円 |
| 600万円 | 12.5万円 | 2,700万円 | 3,300万円 | 4,000万円 |
| 700万円 | 14.5万円 | 3,200万円 | 3,800万円 | 4,500万円 |
ここで言う「安全ライン」とは、
- 教育費を削らず
- 老後資金を犠牲にせず
- 金利が1%上がっても
それでも黒字を維持できる借入額です。
このラインを超えた瞬間、
あなたの家計は10年後に確実に苦しくなります。
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住宅ローン最大の敵は「教育費ピーク」
住宅ローン破綻が最も多いのは、
「子どもが中学〜大学に進学する10年間」です。
私はこれを、家計のデスゾーンと呼んでいます。
この期間に住宅ローンが重い家庭は、ほぼ確実に家計が崩壊します。
年齢別・教育費のリアル
| 年齢 | 年間教育費(公立) | 年間教育費(私立) |
|---|---|---|
| 小学生 | 35万円 | 170万円 |
| 中学生 | 50万円 | 140万円 |
| 高校生 | 60万円 | 130万円 |
| 大学生 | 110万円 | 180万円 |
子ども2人、私立が混ざった瞬間、
年間300〜400万円が一気に消えます。
住宅ローン×教育費「破綻モデル」完全公開
年収600万円、借入3,800万円のBさん家庭。
- 住宅ローン:月13万円
- 教育費ピーク:月25万円
- 生活費:月22万円
合計支出:月60万円
手取り:月38万円
→ 毎月22万円の赤字。
この状態が5年続き、
貯金はゼロ、カードローン地獄に突入しました。
40代で家を買う人が最も危険な理由
40代購入は、住宅ローンと教育費ピークが完全に重なります。
さらに老後資金を貯める時間も短く、
三重苦が同時に襲います。
- 住宅ローン
- 教育費ピーク
- 老後資金の積立開始
この3つを同時に成立させるには、
年収の4倍以内での購入が絶対条件です。
共働き世帯が安全に組める住宅ローンの条件
共働き世帯は一見すると余裕があるように見えますが、
住宅ローン破綻率は単独世帯より高いのが現実です。
共働き世帯の3大リスク
- どちらかが必ず働けなくなる時期が来る
- 育児・介護で収入が下がる可能性
- 片方の収入に依存した家計構造
安全に組む条件はただ一つ。
夫婦どちらか一人の収入だけでも返済できる額で設計すること。
シングル世帯が絶対に守るべき借入ルール
単独世帯は「逃げ場」がありません。
- 失業
- 病気
- 転職失敗
これらはすべて、即ローン破綻に直結します。
したがって、
年収の4倍以内+返済額は手取りの20%以内
これが、唯一の安全ラインです。
40代・子育て世帯の住宅購入「最終ライン」
40代で購入するなら、
「返済期間」ではなく「完済年齢」を基準にしてください。
理想は60歳完済。
65歳でも、すでに黄色信号です。
完済年齢が70歳を超える設計は、
老後破綻への片道切符です。
家計を守る「逆算型住宅ローン設計」
- 老後に残したい貯蓄額を決める(最低2,000万円)
- 教育費総額を計算する
- 残ったお金で組める住宅ローン額を出す
これが、本当に正しい住宅ローン設計です。
住宅ローン最大のリスクは「金利」ではない
多くの人が恐れるのは金利上昇ですが、
本当に家計を破壊するのは収入の減少です。
金利が1%上がる確率よりも、
失業・病気・介護で収入が落ちる確率の方が、
はるかに高いのが現実です。
最悪シナリオを想定できていますか?
- 3か月の休職
- 年収が80%に減少
- ボーナス消滅
この状態でも家計が黒字なら、
あなたの住宅ローンは本当に安全です。
金利1%上昇に耐えられないローンは組んではいけない
3,500万円を35年・変動0.5%で借りた場合、
月返済は約9万円。
これが1.5%になると、
月約10.5万円に跳ね上がります。
差額1.5万円。
これを余裕で払えるか?
答えが「少しキツい」なら、
そのローンはすでに危険です。
団信を「保険」として考えるな
団体信用生命保険は、
住宅ローンに付いている“おまけ”ではありません。
これは人生最大の保険商品です。
- がん団信
- 三大疾病特約
- 就業不能特約
これらを削って月1,000円をケチった家庭が、
数百万円を失ったケースを私は何度も見ています。
貯金ゼロで住宅ローンを組む人の末路
諸費用をすべてローンに組み込み、
手元資金がほぼゼロで家を買う。
これは、裸で崖を登る行為です。
最低でも、
- 生活費6か月分
- 修繕費用50万円
これを確保してから、契約してください。
目次
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金利が0.3%違うだけで、
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「借りたあとに後悔しない人」は、
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この15項目すべてにYESと言えますか?
- 年収の5倍以内の借入額である
- 教育費ピークでも黒字が出る
- 金利が1%上がっても耐えられる
- ボーナス返済に頼っていない
- 60〜65歳までに完済できる
- 生活費6か月分の貯金がある
- 修繕費を毎月積み立てている
- 夫婦どちらかの収入だけでも返済可能
- 団信を最低限ケチっていない
- 老後資金の積立を止めない設計
- 今の生活水準を基準にしていない
- 教育費を楽観視していない
- 家計簿が3か月分以上ある
- 転職・失業リスクを想定している
- 「借りられる額」でなく「守れる額」で考えている
1つでもNOがあれば、
あなたの住宅ローンはまだ危険水域です。
住宅ローンは「人生の保険」だと考えよ
多くの人は、
「どんな家を買うか」ばかり考えます。
しかし本当に考えるべきは、
その家を買ったあと、
どんな人生を送りたいか
です。
旅行を我慢し、
子どもの進学を諦め、
老後の不安に怯えながら住む家は、
もはや“資産”ではなく重荷です。
最後に:現役銀行員としてあなたへ
私は、
家を買ったせいで人生が苦しくなった人を、
本当にたくさん見てきました。
その一方で、
最初に正しい設計をした家庭は、
同じ家に住みながらも、人生の豊かさがまるで違うのです。
どうか、
「借りられる額」ではなく、
「一生笑って返せる額」で家を買ってください。
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この記事が、あなたの人生を守る一助になれば幸いです。