「年収の10倍まで借りられますよ」
住宅ローン相談で、こんな説明を受けたことはありませんか?
ですが実際には、銀行が言う「借りられる額」と、家計的に「無理なく返せる額」はまったく別物です。 本記事では、銀行員の立場から本当に妥当な返済額について解説します。

現役銀行員|BANKER × FAMILY
「住宅ローン、変動金利のままで本当に大丈夫なのか不安…」
そんな悩みを持つ方のために、現役銀行員として数多くの住宅ローン相談を担当してきた私が、 金利上昇時代に後悔しないための正しい判断基準をまとめました。
銀行が言う「借りられる額」と現実の違い
年収10倍融資は“安全額”ではない
年収の10倍まで融資可能と言われることがありますが、これはあくまで審査上の上限です。 生活が成り立つかどうかは考慮されていません。
銀行は「返せるか」ではなく「貸せるか」を見ている
銀行が重視するのは、担保価値や信用情報、返済比率です。 家計の余裕までは細かく見ていないのが現実です。
妥当な返済額の結論【最重要】
先に結論をお伝えすると、住宅ローンの妥当な返済額は 「今の収入で払えるか」ではなく「将来も延滞せず払えるか」で決める必要があります。
手取り年収の20〜25%が安全ライン
妥当な返済額の目安は、手取り年収の20〜25%以内。 これを超えると、家計の柔軟性が一気に失われます。
返済額はボーナスなしで成立させる
ボーナスは減額・カットの可能性があります。 住宅ローンは月々返済だけで完結させるのが鉄則です。
なぜ年収10倍は危険なのか(5つの理由)
理由① 額面年収と手取り年収のズレ
審査は額面年収、返済は手取りから。 このギャップが家計を圧迫します。
理由② 返済比率35%の落とし穴
銀行が許容する返済比率は最大35%前後。 生活費や教育費は考慮されていません。
理由③ 金利上昇で一気に破綻する構造
低金利前提で成り立つ返済計画は、金利上昇に極端に弱いです。
理由④ 教育費ピークと返済ピークが重なる
40〜50代は、住宅ローン・教育費・老後準備が同時に重なります。
理由⑤ 延滞すると優遇金利が消える現実
一度の延滞で、優遇金利が剥奪されるケースもあります。 これは致命的です。
金利が上がった後でも払えるか?シミュレーション思考
金利+1%でも家計は回るか
今の返済額ではなく、金利上昇後の返済額で判断しましょう。
変動金利を選ぶなら最低限見るべき数字
返済額が月2〜3万円増えても問題ないかが判断基準です。
危険ゾーンに入っている人の共通点
返済後に貯蓄ができていない
生活費がギリギリで予備費がない
家計管理を「感覚」でやっている
これらが当てはまる場合、返済額は見直しが必要です。
銀行員が考える「本当に妥当な返済設計」
借入額は年収の5〜7倍が現実解
金利上昇や教育費を考えると、この範囲が最も安全です。
妥当な返済額から逆算する住宅購入
「いくらの家を買うか」ではなく、 「いくらなら一生払えるか」から考えましょう。
よくある質問
年収10倍で借りても問題ない人はいる?
共働き・教育費が少ない・貯蓄が厚いなど、 かなり条件が限られます。
今すでにギリギリの場合どうすればいい?
家計の見直し、固定費削減、借り換え検討が第一歩です。
繰上返済と貯蓄、どちらを優先すべき?
金利と家計余力次第ですが、生活防衛資金の確保が最優先です。
まとめ|後悔しない人が共通して守っていること
- 妥当な返済額は「借りられる額」ではない
- 金利上昇と教育費を必ず織り込む
- 延滞しない設計こそ最強のリスク管理
住宅ローンは、通った瞬間がゴールではありません。
35年間、延滞せずに払い切れる額だけが、
本当の意味での「妥当な返済額」です。